カテゴリ:言葉・用語( 2 )
【2005-03-15】「一番最初」っておかしくないか
自分の職場にもいますが、「始めに~する」「もっとも早く~する」という意味で「一番最初に~する」とよく発言する人がいますが、おかしくないでしょうか。
だって「最初」という言葉がそもそも「いちばん(あるいは“もっとも”)はじめ」という意味なのですから、「一番最初」では「いちばんいちばんはじめ」とかいうことになるので重複表現になるのではと。
(「馬から落馬する」とか「血が出血する」とかと同様)


参考:goo辞書国語辞典での「最初」の検索結果


いちばんはじめ。
⇔最後
「―が肝心」
――で最後
それ一度きりであること。


yahoo!辞書での「最初」の検索結果


いちばんはじめ。「物事は―が大切だ」「―だれかと思った」最後/最終。


なおWeb上で「一番最初」という表現を使っているページがどのくらいあるかGoogleさんで調べたところ

【2005-03-15】今日のGoogleさん ← これだけあった (;-_-)
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by masaki_tm | 2005-03-15 21:26 | 言葉・用語
【2004-08-04】「姑息」誤用について考える

「姑息」は『卑怯』『卑劣』ではなかった


最近のニュースから。
日本語についての文化庁の世論調査により、大部分の人が「檄を飛ばす」「姑息」「憮然」等の言葉の意味を「本来の正しい意味」とは別の意味で理解しているということが判明したそうです。
詳細は以下のリンク先をご覧下さい。



上記記事によると、
「檄を飛ばす」は『元気付ける』『カツを入れる』等ではなく『自分の主張などを広く知らせ同意を求めること』
(goo辞書「檄」検索結果)
「姑息」は『卑怯』『卑劣』ではなく『一時しのぎ』『その場しのぎ』
(goo辞書「姑息」検索結果)
「憮然」は『怒ってぶすっとしている』『ふくれっ面』ではなく『落胆してがっくりしていること』
(goo辞書「憮然」検索結果)

正直に言うと、自分も「檄を飛ばす」と「姑息」を思いっきり誤った意味で覚えておりましたので、前述記事を読んだときは驚きました。
(「憮然」は知っていた)
とくに「姑息」は完全に『卑怯』『卑劣』あるいは『セコい』というニュアンスで理解しており、まさか「一時しのぎ」だとは露ほども思っていなかったものです。
意外でした。他にもこのような例はまだあるかもしれませんね。










…と、ここで終わったら 数多の普通のブログや日記の1ページで終わりなのですが、それではつまらないので、もう少し考えてみたいと思います。

「姑息」はいつごろから誤用され始めたのか?


この「姑息」という言葉がいつごろ日本に入って、広く用いられるようになったかは不明のためまだわかりません。
ただ、おそらく広く使用され始めた当初は、本来の正しい意味で使われていたのではないでしょうか。
では、「姑息」が『卑怯』等の意味に誤用され始めたのはいつごろなのか、それをもし特定できれば、その当時の社会状況・その当時はやっていた文学等の作品群などから、誤用されるきっかけとなったきっかけや経緯等がつかめるかもしれません。
(といっても かなり困難だとは思いますが)
そのために、「姑息」という言葉が誤用されて掲載されている(あるいは正しい意味で使われている)作品を探して、その作品の出来た年代を調べていこうかと思うのですが、まず自分が知っているものを挙げてみます。
(なお、僕は小説は殆ど読まないので、主に小説以外の書籍や漫画が捜索対象となります)

「姑息」誤用例 1:すすめ!!パイレーツ(1979~1980頃)


幼児時代に読んで以来、私の愛読漫画のひとつである野球ギャグ漫画「すすめ!!パイレーツ」(約20年前の作品)。前述のニュースを見たとき真っ先に思い出したのが、実はこの作品のとあるシーンなのです。
角川書店刊「すすめ!!パイレーツ」文庫版第5巻(平成8年初版)収録の「泉ちゃんが笑った」という話のなかで「姑息」(作品中では「コソク」となっているが)が使用されています。
以下に当該コマを引用しました。

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(引用元:「すすめ!!パイレーツ」、江口寿史、角川書店、第5巻112ページ)

「パイレーツ」未見の方の為に上記コマの前後を説明しますと、弱小球団パイレーツのライバル的球団の東海イーグルスのスパイで、パイレーツの寮に潜入するもパイレーツのことが気に入ったため居ついてしまった泉ちゃんがイーグルスのオーナーや監督等に「お前の過去をバラすぞ」と脅迫されて、パイレーツの選手の食事に下剤を混ぜるように強要されるのです。
(その時、パイレーツとイーグルスは最下位争いの最中で、パイレーツが勝てば万年最下位を脱出できるという状況でして、イーグルスは最下位になるまいと泉ちゃんを脅して選手を弱体化させようとしていたのです)
悩んだ挙句 泉ちゃんは自分の過去をパイレーツの選手達に打ち明けて寮を出て行こうとするのですが、犬井さん始めとするパイレーツの選手達に引き止められ、犬井さんと猿山がイーグルスに報復にでようとしているのが前述の引用のコマなのです。
前述コマを見ると、左端で一平が犬井さんらを引き止めつつ、「やめなさいってコソクなまねはっ」と言っています。カタカナで書いてありますが、これは「姑息」と考えられます。そして、この「コソク」は本来の正しい意味(一時しのぎ)では意味が通じません。「(イーグルスのような)卑怯・卑劣なまねはやめなさい」というニュアンスであると見るのが自然です。
(実を言うと僕は「姑息」という言葉はこの作品で始めて知りました。またこのコマの内容から、『卑怯」というニュアンスで理解していました)
前掲書巻末に載っている初出を見ると、この第5巻に収録された作品は「週刊少年ジャンプ」1979年10号~1980年16号が初出ですので、よっておおよそ1979~1980年前半ごろには既に「姑息」は『卑怯』というニュアンスの誤用がされていたことが確認できます。

「姑息」が誤用されている実例は他にもあると思いますので、可能ならばこの例よりも更に前の年代の作品を探してみたいものです。

(追記)「姑息」等の誤用について最近言及されている記事


参考のため、最近のうちに「姑息」等の誤用について言及されているエントリ等のリンクをいくつか掲載いたします。
BlogでMeltyBRAIN - 檄を飛ばすの誤用7割
UnMovabletype.org - 姑息にも憮然として檄を飛ばす
せんすの将棋日記 - 漢字の誤用
”Scene” - 日本語世論調査
c h e r e p u r e - 2004年7月31日
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by masaki_tm | 2004-08-04 21:35 | 言葉・用語